2006年04月12日

住宅法律相談所WEB版

執筆者秋野卓生
●匠総合法律事務所

個人情報保護法施行から1年経ったが

昨年4月の個人情報保護法スタート時は、顧客商売である住宅業界は営業手法を見直す必要性に迫られたり、契約書改訂の必要性が出るなど、大騒ぎをしたのを皆様もご記憶されているものと思います。

個人情報保護法制定から1年経ちましたが、最近の新聞記事では過剰保護である旨を主張し、保護法の改正を求めるものも出てきています。

住宅業界では、やはり住宅展示場の「過剰」な対応に苦慮している住宅会社が多いというのが印象深いところです。


即ち、住宅展示場への出展のメリットは、自社の家を実際にエンドユーザーに見てもらってその良さを理解してもらうという側面もありますが、本気で家づくりをしたいと考えているエンドユーザーとの「出会いの場」としての役割を期待している住宅会社も多く存在するのです。

この「出会い」にとって大事なのが、エンドユーザーの名前や電話番号といった個人情報の取得です。どこの誰だか分からなければ意味がないのです。


これまで住宅展示場運営会社は、この住宅会社の心を良く理解して、総合展示場受付にて顧客から個人情報を取得し、これを出展会社に渡していたのです。

この行為が個人情報の本人の同意を得ない第三者提供に該当するとして昨年4月以降、禁止してしまった展示場が多く現れました。
 
これは、住宅会社にとっては、運営会社のサービスの低下としか写らないと思います。

しかし、特に展示場出展料を低額にするという話も聞きません。

 
こういった話を個人情報保護法の行き過ぎの事例として法律相談を受ける事もあります。

しかし、この住宅展示場運営会社の個人情報の第三者提供は、保護法23条2項の「オプトアウト」手続きを利用すれば(本人が第三者提供を停止して欲しいと求めれば停止をする手続きを整え、ホームページなどで公表する等の措置を講じる事)、本人の同意が無くても法律に準拠して顧客情報を適法に第三者提供することも可能なのですから、「保護法」が行き過ぎなのではなくて、運用上の問題であると理解すべきです。


この個人情報保護法は、今、改正論が出ています。

この法律の改正論も大事ですが、運用面の見直しも大事であるという事を是非、知っていただきたいと思います。
posted by s-housing at 14:04| 秋野卓生の住宅法律相談所 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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