2006年07月10日

上司はほう・れん・そうがお好き

執筆者野辺公一
●オプコード研究所

使われる言葉ベスト5賞を与えます

 工務店の社長だけではないが(建材メーカーの営業部長だったり、問屋の社長だったり営業部長なども入れていいのだが)、上司らしき人が、部下を部屋の片隅に呼んで「お前な、きちんと『ほう・れん・そう』をしろよ。それがお前にはないんだよ」といったお説教を喰らわしているのをたまに目にすることがある。

 そう、この「ほう・れん・そう」こそ日常ビジネスシーンで使われる言葉ベスト5賞を差し上げたいような言葉だ。

 報告、連絡、相談と、組織にとって必要かくべからざるキーワードをうまくまとめたな、とは思う。

 でも、本当に工務店の社長や幹部も含めてポパイ的に「ほう・れん・そう」を言いたがるよな、と思う。 ポパイ的といっても今の若い人たちには通じないか。ポパイというアメリカンコミックがありましてね、愛するオリーブが窮地に陥ると「ポパイ助けて」というとポパイがほうれん草を口に放り込むとみるみるパワーが炸裂する、というやつなんだけど。

 「ほう・れん・そう」もそうした組織的なパワー炸裂の源の一つといえば一つだが、それにしても、皆さんお好きですね。この「ほう・れん・そう」ネタでのお説教が。

 ま、それだけ、そうことがやれていない、ということと、そうしたことを個人の能力還元主義的に済ませているのではないのか、といったことをちょっと心配したりするのでありますよ。

知術世代の工務店のスマートオフィース

 報告だって、よい報告(例えば受注)と悪い報告(例えば倒客)もある。よい報告ばかりを聞きたがるおやじ程始末に終えないものはない。悪い報告を分析する、といった機動力もなかったり。また、報告を受けての判断を的確に示す必要だってある。実はこの指示が不徹底だったり、指示したぞ(聞いてません)なんてやりとりも聞こえてくる。

 やはり、きちんと「ほう・れん・そう」日報的なものがないと駄目なんだよね。しかも、深刻さの重い順位付けをきちんとし、解決していくためには、記録がないと「言ったつもり、聞いたつもり」の言った、言わない論争で社内に不満が溜まったりする。

 どうしても、口頭でのやりとり中心主義が多いのだが、いまや未公開ブログ等が無料で活用できる時代でもあるし、その手の仕組みを考える必要があるな、と思う。とりわけ、連絡事項などは、全員が共有できるし、そうした武器を使うのも知術世代の工務店のスマートオフィースづくりの一つと言える。

社内情報を開いていく、ということ

 ブログというと馬鹿の一つ覚えのように公開するだけが能じゃない。高いシステムソフトなどを使わなくても、工夫次第で確実な「ほう・れん・そう」の仕組みがつくれる時代だからこそ、フォーマットなど堅苦しくしないで、自在に「ほう・れん・そう」文書をブログで蓄積する、といったことの方が実際的。しかも、社長の指示がコメントされていれば、他のスタッフだって(場合によっては、各協力業者をも包括した非公開ブログを現場毎に立ち上げる)共有できるから、大きな意味を持つ。

 このようなことが社内公開的にやられないと、どうしても人事的な偏重が結果として目立ち、組織的な整合性がとれなくなったりするから要注意が必要となる。

もっと大切な「ほう・れん・そう」があるでしょう?

 さて、この「ほう・れん・そう」。実は社内よりももっと大切な部分でおざなりにされていることがある。それは、顧客に対しての「ほう・れん・そう」だ。契約前もそうだし、契約後、とりわけ工事開始以後の顧客への「ほう・れん・そう」の徹底こそが満足度の持続を保証する、と言える。

 この工事開始以後の「ほう・れん・そう」こそ実は現場監督最大の役割であり、そのような顧客への「ほう・れん・そう」をこそチェックしている工務店の社長だと、私は比較的安心して、その工務店を見ていられる。

 社内「ほう・れん・そう」が不徹底な工務店は顧客に対する「ほう・れん・そう」も不徹底と相場は決まっているが、少なくとも社内的にはその手のことが不完全でも、露呈しないケースもある。しかし、顧客に対しては、その不満は実はじっくりと工務店の体質を蝕んでいくのだ。
posted by s-housing at 13:48| 野辺公一の21世紀工務店の源泉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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