2006年11月24日

家守りビジネスの誕生

執筆者野辺公一
●オプコード研究所

FC展開としての家守りビジネス 
 
 家守りというビジネスが出現した。空家、高齢世帯を中心対象として、年間契約金3万円で、年2回の点検と生活上の不具合を解消する、というサービス事業だ。さらに、現在の家は大き過ぎて不便、とその家を貸して、自分たちはこじんまりとした駅前マンションに住みたい、といったニーズにも応えている。

 この本部は、家守りとして管理や細かな点検を続けてきたある工務店の経営者が、ノウハウとしてまとめFCとして展開しはじめた。もちろん、背後にはノウハウのまとめ屋さんたちが存在していることは言うまでもない。

 ただでさえ、新築もリフォームも取れない時代の中で、年間受注棟数5戸未満という元請け大工や工務店たちを組織化する形で動きはじめたのだ。
 
 1FCで5,000棟。ということは1億5千万円。売上としてみると大したことはないように見えるが、派生仕事まで含めると仕事のない工務店や大工たちからすると救いの神。

 加入に際しては、徹底した顧客サービス論とその演習が行われる。実は本部にとってはこの仕事のない地元工務店というのが大切で、地元工務店だからやれること、というのを一つの売りとしているからだ。
子世帯のギフトとしても活用される
 
 できれば、かつて栄華を極め、今は逼塞している工務店が望ましく、彼らのOB施主を中心として展開させる方式が一つ。もう一つは、かつてはなばなしく存在していたパワービルダーなる分譲住宅屋さんが供給したエリア。ここは、家守りを行うものとてない状態。その空白地域にも当然入り込む。

 意外な程に高齢化は進んでおり、じいさん、ばあさんたちからは結構な好評を得はじめる。すると、息子世帯が積極的にこのサービスをギフトとして親世帯に贈りはじめた。さらに、その様子を見ていて、自分たちもこのサービスを利用することをはじめたりして、いまや管理住宅戸数は35万棟となった。

 この管理している住宅を中心として、次なる年金と住宅という世界へとこのFCは当然の如く手を延ばしはじめている。

 そのメニューを今ここでばらすわけにはいかないが、いやはや大手でもなく、工務店でもない業者までも入りこんで一大ストックサービスビジネスが展開されているのだった。

 その基本は、やはり顧客満足度であり、この場合大切なのは、住まい手だけではなく、例えば子世帯をも満足させる仕掛けが必要で、ここではギフトの場合はその点検等の報告を子世帯にも行うことで、送り主の満足度も得ている。

 FC本部の社長は「工務店だの大手だのといったって、所詮すき間だらけでした。私たちがそのすき間をきっちり埋めることができているから、信頼を得ている、といえると思います」と言うのであった。

 実は架空の話です、といいたいのだが

 といった架空物語が現実味を帯びている状況が現在の工務店市場(もう既に私の架空の物語が進行しているのかも知れない)。もう少し、細やかに市場を見ていないと、どこの誰だか知らないビジネスマンにあっと言う間に組織化されてしまいかねないな、と感じているこの頃なのである。
posted by s-housing at 20:15| 野辺公一の21世紀工務店の源泉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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