2007年01月18日

2007年 注目の法律は

執筆者秋野卓生
●匠総合法律事務所

 新年明けましておめでとうございます。
 今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 2007年は、住宅にかかわる法律は「革命」とも言うべき、大改正のオンパレードです。

 まず、私が注目しているのが、昨年12月6日に国会で成立し、公布された消費生活用製品安全法の改正です。

 この改正法は、本当にすごい。住宅業界全体にコンプライアンスプログラム策定の流れを促してしまいかねない程、すごい法改正なんです。
 この改正消費生活用製品安全法は、住宅設備メーカーをはじめ、製造メーカーにおいて、重大製品事故(死亡事故、30日以上の治療を要する重大事故、一酸化炭素中毒事故、火災など)が発生した際、製造メーカー又は輸入業者に対し、その事実を知った日から10日以内に経済産業省へ事故の事実を報告することを義務づけることとなりました。

 経済産業省に報告するだけですので、製品欠陥を認めた事にもなりませんし、民事・刑事上の責任追求がなされるわけでもありません。

 「それなら、良いではないか」と思われるかもしれませんが、実務の流れで言うと、経済産業省に報告すれば、「御社において自主的に記者発表をしてください。社告を打ち、消費者に対する注意喚起をしてください」という指導を受けてしまう。

 そして、いざ、公表すると、製造メーカーのイメージダウンにつながってしまう訳ですから、とっても恐ろしい法律です。

 そして、経済産業省は、消費生活用製品の欠陥に生じたものでないことが明らかな事故以外のものは全て10日以内に報告をすることを義務づけ、違反企業には罰則(体制整備命令の違反者に対しては、懲役1年以下又は100万円以下の罰則を科す)をもって臨むとしているのです。
 
 企業ブランド維持のため、コンプライアンスを旨としなければならない製造メーカーは、この10日間の報告義務は遵守しなければなりません。

 しかし、事故発生から10日でいったい、何が分かるというのでしょう。

 おそらく、原因究明に着手したのが10日目だった、というのが実情ではないでしょうか?

 そして、原因究明が未了で、「消費生活用製品の欠陥に生じたものでないことが明らかな事故」と言えない事故については、10日以内に経産省に報告をしなければならない訳ですから、製造メーカーサイドとしては、何としても重大製品事故発生後、10日の間に「消費者による誤使用」であるのか「製品欠陥はなく、施工不備であるのか」等についての客観的な証拠と共に判断をするシステムが必要となるのです。

 そのためには、製造メーカー一人気を吐いていても仕方ありません。

 まず、事故発生を顧客から第一に聞くハウスメーカー・ビルダーにおいて正確な事実の把握と早急な原因調査にすぐ着手してもらうマニュアルを作る必要があるでしょう。
 
 次に、その情報を販売店→問屋→製造メーカーとスムーズに伝えるマニュアルも準備する必要があるでしょう。
 
 この「10日間」という改正消費生活用製品安全法の定める期限が、製造メーカー→問屋→販売店→ハウスメーカー・ビルダーの全てを統一的に行動させるコンプライアンスプログラムを策定せざるを得ない環境に追い込んでいるのです。

 
 法律が業界に変革をもたらす。
 
 事故が起こってから慌てるのではなく、事故が起こる前から事故が起こった際のマニュアルを作って業界全体で準備しておくように。
 
 改正法の趣旨は、こんなコンプライアンスの発想なのです。
 
 さて、次に、ハウスメーカー・ビルダーにとって大きな改正は瑕疵担保責任賠償保険の強制保険化に関する住宅の品質確保促進法の改正でしょう。

 何と言っても、瑕疵担保責任賠償保険という保険を付けなければ家を建ててはいけない!という話しですから、タダでさえ、費用削減に努力している住宅会社に対し、保険料をプラスして払え!と言うのですから、しんどい話しです。
 
 もっとも、着工棟数の多いハウスメーカーは反発し、保険ではない「供託」などの信用確保の方法を検討することを求めています。
 
 次のブログでは、この瑕疵担保責任賠償保険について詳しく説明していきます。
posted by s-housing at 14:06| 秋野卓生の住宅法律相談所 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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