執筆者秋野卓生
●匠総合法律事務所
昨日(8月26日)の日経1面は、「住宅長寿化へ税加速」として、住宅履歴書を国が認証し、履歴書のある住宅には、減税措置を適用するというものです。
自民党などが提言している200年住宅のミソは、「200年も長持ちする住宅をつくること」にあるのではなく、「200年も長持ちするようにメンテナンスができる仕組みをつくろう!」というものです。
本来であれば、当然であるべきこの発想が今まで、あまりにもなかった。だから、建物建築時の設計図や仕様書が残されておらず、20年〜30年を経た住宅では、リフォームではなく、建て替えといった「無駄」が行われてきたわけです。
また、きちんと作られた保証のない中古住宅が高値で売れるわけがありません。
ですから、新築の段階でしっかりと、住宅履歴書というデータベースを作り、新築時、リフォーム時などにきちんと履歴を残していこうという発想が中古住宅市場の取引活性化として出てきた訳です。
新聞記事によると、国土交通省は、建物ごとに設計図やその後の改修、点検の履歴などの情報をまとめたデータベース「住宅履歴書」の制度づくりに2008年度から着手すると発表しています。
そして、「国が信頼できると認めた履歴書のある住宅には減税措置を適用する。」とのこと。
国の強い意気込みが伺えます。
ちなみに、この住宅履歴書の決定版こそ、住宅性能表示制度です。
この住宅性能表示制度は、第三者評価機関が設計時・現場進行時・完成時に建物チェックをし、きちんと建物がつくられた証として建設性能評価書が交付されるのです。
新築時の履歴書としては、完璧であると思うのです。
住宅履歴書で減税措置を講じるのであれば、性能表示を採用した物件には更なる減税を検討したらどうか?と思います。
さて、実務上の問題点を一つ。
実は、性能表示制度が普及しない要因の一つでもあるのですが、この図面・あの図面と図面コピーばかりさせられて、異常にコピー代がかかるのです。
このコピー代節約の方策(インターネットによる評価機関と住宅会社の図面共通等の策)を国土交通省が考えてくれたら、もっと性能表示制度が普及するのではないか、と思います。
また、住宅履歴書の推進にあたっても、このコピー代節約の方策など、実務的な問題点を克服しながら対策を検討していってもらいたいと思います。
2007年08月27日
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図面作成側、受取側の両方にメリットがある図面の電子化が、一番の良策です。
「住宅履歴書」でググッて立寄りました。
図面の電子化は私も賛成です。どんどんやるべきで紙やコピートナーなど資源の節約にもなります。
が、図面の電子化だけ一人歩きしているだけで、承認や決裁など人が介在する確認作業については「印」を押す作業が必要となっています。
この旧態依然とした書類流通社会の流れが電子化できないと一部だけ電子化しても全然意味がないと思います。
役所の入り口だけでなく、中身も電子決済できるようにしないと性能表示はもとより、今後新たな取り組みも定着しないと思います。
企業だけでなく図面に関係する全員の取り組みが必要と思います。
「住宅履歴書」に関連して、海外の文献を検索しています。英国ではHome Information Packがありますが、
http://www.homeinformationpacks.gov.uk/
アメリカで、同様な法案はありますでしょうか。
もし、ご存知でしたら、同類の海外の法案についてお教えいただければと存じます。
お手数ですがどうぞよろしくお願い致します。