2007年09月04日

積水ハウスに営業停止命令 建設業法遵守とコンプライアンス

執筆者秋野卓生
●匠総合法律事務所

 国土交通省は8月27日、大手住宅メーカー、積水ハウス(大阪市)に対し、建設業法違反があったとして同法に基づき営業停止命令を出しました。

 同社の名古屋特建事業部が、建設工事の現場に専任の技術者を置く法律上の義務を怠っていたという理由で9月11日から15日間、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県において営業活動が禁止される事となったのです。
 
 プラス1 7月31日号 でも解説しましたが、今、国土交通省は、建設業法違反行為に対して厳罰化の方向で動いています。
 
 積水ハウスという大手ハウスメーカーに対する営業停止命令という重い処分は、明らかに一罰百戒を期したものと思われますが、今後、ビルダーの皆様も知らずと犯している建設業法違反には気をつけなければなりません。
1 そもそも工事現場に監理技術者を専任させることが必要なのか?
 
 専任というのは、他の工事現場に係る職務を兼務せず、常時継続的に当該工事現場に係る職務のみに従事していることを言います。
 
 要するに1人の社員を工事着工後、完成までの間は一つの現場だけに専念させなさいというものです。
 
2 経営効率的に無駄ではないか?
 
 確かに超高層のマンションやビルなどの大規模建築物ならば、一人の社員が一つの現場に張り付けになっていても違和感はないでしょう。
 
 しかし、アパート程度であれば、一人の社員にかかる業務負担量も少ないため、他の現場をかけもちさせたいというのが経営的な発想だと思います。

3 建設業法第26条3項
 
 しかし、建設業法第26条3項は、当該工事が公共性のある工作物に関する重要な工事である場合には、工事現場ごとに専任の主任技術者又は監理技術者を設置せよと求めているのです。
 
 そして、建築一式工事の場合、5000万円以上の工事の場合、主任技術者又は監理技術者を設置しなければなりません。

4 戸建ては例外 
 
 但し、民間で建てる自己居住用の戸建て住宅の場合には、この建設業法第26条3項は適用されません。
 
 従って、ビルダーの皆様方は、5000万円を超えるアパート建築の場合を念頭に検討すればよいと言うことになります。

5 時代は戸建てからアパートへ
 
 しかし、最近、戸建て住宅の着工棟数が減少しています。
 
 そうすると、ハウスメーカーのようにアパートやマンション建築にも積極参入していこうと考えるビルダーは多いはず。
 
 アパート・マンション業務に入っていく場合には、この建設業法第26条3項をクリアーしなければなりません。

6 監理技術者の要件
 
 以下のケースでは、技術者を適正に配置したとは認められません。
 
 a 必要な国家資格等の要件を満たしていない場合
 b 直接的な雇用関係を有していない場合(在籍出向や派遣など)
 c 恒常的な雇用関係を有していない場合(一つの工事の期間のみの短期雇用など)

 経営的な発想から言えば、いつでも頻繁にアパートやマンション建築の受注が得られるわけではなく、フイと発生したアパート・マンション建築の工事に関して、監理技術者の有資格者を張り付けにしなければならないと言われるわけですから、できれば、アパート・マンション建築の工事受注を受けた段階で、監理技術者の有資格者に出向してもらうとか、一つの工事の期間中だけ短期雇用をしたいところでしょう。
 
 ところが、こういった恒常的な雇用関係がない者は監理技術者とは言えないというのが国土交通省の解釈ですので、ダメということになります。

 積水ハウスの案件でも、名古屋市東区の工事では、他社から長期の出向で来ていた人員を監理技術者として任命していた事が建設業法違反として、処分をされているわけです。

 気をつけていただきたいと思います。

7 規制の趣旨は、建設業者に対する信頼
 
 このように建設業法第26条3項が厳しい監理技術者の専任の規定を設けている趣旨は、発注者の建設業者に対する施工技術に関する信頼を守り、不正行為を防止すること、欠陥発生を防止することにあります。

8 一括下請に発注者が同意していてもダメなのか?
 
 そうすると、そもそも発注者が一括下請に同意している場合、発注者自身が、下請会社に工事をやらせることに同意している以上、元請業者が監理技術者を出さなくても下請会社が監理技術者を出せばよいと言うことにならないか?という淡い期待も出てきます。
 
 しかしながら、あらかじめ、発注者の書面による承諾を得て一括下請負に付した場合においても、一括下請負の禁止が解除されるだけなので、元請負人としての工事現場への技術者の配置等、建設業法のその他の規定により求められるものは必要となります。

9 とにかく建設業法遵守が大事!
 
 今まで、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」と建築業者が皆、建設業法に違反していた訳ですが、耐震強度偽装事件後、急に建設業法違反に対する国の取り締まりが厳しくなってきました。
 
 皆さんも今回の積水ハウスに対する処分を対岸の火事と見るのではなく、建設業法をしっかり勉強して、理解の上、法令遵守で仕事をしていただきたいと思います。

以 上

posted by s-housing at 15:05| Comment(5) | TrackBack(0) | 秋野卓生の住宅法律相談所 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
とても勉強になりました。
Posted by 浮気 at 2011年02月23日 16:20
そういうことだったんですね!ありがとうございました。
Posted by ふりん at 2011年07月13日 00:10
大変興味深い内容でございました。
Posted by 割り切り 出会い at 2011年07月31日 15:12
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