2008年02月12日

会社再建を真剣に考える

執筆者秋野卓生
●匠総合法律事務所

 2008年の私は、地球環境問題に興味を持ちながら、銀行交渉で幕を開けました。
 
 年始早々、多くの住宅会社から「資金繰りが心配である。秋野先生相談に乗って欲しい」といった相談が相次いで来るのです。
 
 基本的には、うちの事務所は、再建を目指すパワービルダーや工務店さんが来る事務所なので、「なんとかして再建したい」という法律相談に対して検討を進めていきます。 まず、ビルダーの場合、信用が第一ですので、破産や民事再生といった法的手段は最終手段として置きます。
 
 また、顧客に迷惑をかけてしまっては、再建など不可能になりますので、顧客の契約金の保全など、顧客保護の手当を講じます。
 
 できれば、下請業者に対する支払猶予なども信用不安を煽りますから、極力避けます。

 ということになると、頼みは銀行交渉と言うことになるのです。
 
 銀行にビルダーの社長と一緒に行き、現状の説明をした上で、事業計画を立てるので、3ヶ月、返済を猶予させて欲しいという説明をし、銀行に納得をしてもらった上で、一生懸命、再建計画を立てます。
 
 その上で、当社として月々の返済が可能な返済案が出来上がり、銀行に納得してもらい、返済計画変更の合意を取り付けます。
 
 このような策が講じることが出来るのは、まだ、体力が十分にあるビルダーです。

 
 「銀行に実情を話したら、もう、融資してくれなくなるのではないですか?」という質問を受けることがありますが、銀行は、資金計画通りに会社経営が遂行していかないビルダーに金など貸しません。現に、今だって厳しい対応をしている銀行は沢山います。
 
 そして、一番いけないことは、粉飾決算などをしてしまい、嘘をついて融資を受けることです。
 
 嘘を付くくらいなら、全てをさらけ出して、実際の会社の現実の姿を見てもらって、応援をしてもらいましょう。因みに、銀行は、真剣に誠実に再建計画を立案しようとするビルダーを決して潰しはしません。


 ほとんどのビルダーは、全額返済の計画を立てることが出来ず、悩みます。
 
 そのような場合、次は、M&Aの検討に入ります。

(1) 地域の納材店などにスポンサーになってもらい、事業承継をする。
(2) 従業員さんに新会社を立ち上げてもらい、事業承継をする。
(3) 債務超過ではなく、トントンの会社は、備忘価格による株式譲渡を検討する。
 
 会社の決算書を確認し、資産と負債が見合っている状況であれば、この会社の株式の価格は、いくら発行価格が1株5万円でも、実質価値は、限りなく0円に近いのです。
 
 0円で譲渡するというのもなんなので、1株1円で譲渡をする例がいくつもあります。
 
 この場合、譲受人は、会社の資産も負債も両方、譲り受ける事となります。
 
 また、株式発行総数が500株であれば、500円で会社が買えるのです。
 
 会社の負債は従業員が経営を頑張って、返していけば良いという事となります。
 
 この場合、株主総会を開催する必要もなく、純粋に株式譲渡契約を締結すれば良いだけになります。
 
 社長が高齢で、元気がなく、事業承継をしたい場合にお勧めの方法です。

 
 以上の手法が難しい場合には、ある程度、痛みを伴いながら、力業の再建を目指します。

 
 最近は、とにかく、年金問題やサブプライム問題などで消費者が住宅を購入する意欲をなくしている訳ですから、ビルダーも事業計画がなかなか立たず、苦しんでいる事と思います。
 
 そんな時、一番気をつけなければならないのが、会社のブランド価値の維持です。
 
 信用不安など起こしてしまったら、せっかく大金と努力をつぎ込んで築き上げたブランド価値は崩壊していきます。
 
 資金繰りに悩んだら、まずは、弁護士に相談して下さい。
posted by s-housing at 10:22| Comment(4) | TrackBack(0) | 秋野卓生の住宅法律相談所 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんな時代だから大変ですね
Posted by happy at 2010年08月07日 23:32
おもしろいブログですね。また来ます。
Posted by 真剣な出会い探しナビ at 2011年02月08日 15:29
おもしろいブログですね。また来ます。
Posted by 会える出会い案内所 at 2011年02月23日 01:06
とても勉強になりました。
Posted by 割り切り at 2011年03月15日 23:46
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